海と空の“レア動物”に会えるひがし北海道の旅!
地元民おすすめツアーもご紹介!
公開日:2025.06.27
クジラの尾
01
ひがし北海道の概要紹介
ひがし北海道は手つかずの自然が広がる日本屈指の野生動物観察スポット。ロシア海峡に近く、寒流の影響で餌となるプランクトンが豊富にあるため様々な海の野生動物たちが訪れます。特に根室海峡を中心とした知床・羅臼エリアは、さまざまな海の野生動物たちと出会える希少な地域です。世界自然遺産にも登録されていて、陸・海・空の生き物すべてに出会えるのが最大の魅力。今回はひがし北海道で出会える海の動物たちとその見どころ、おすすめの観察時期やスポットについて詳しくご紹介します。
\野生動物に出会えるチャンス!クルーズ船リンクはこちら/
02
クジラ
クジラの尾
知床・羅臼エリアでは春から夏にかけてミンククジラやマッコウクジラなどの大型クジラが餌を求めて南の温暖地域から回遊してきます。ミンククジラは体長約8〜10m、マッコウクジラは最大18mにも達する大きな体が特徴。観察に適しているのは4月から8月にかけての時期。特に6月〜7月はミンククジラの出現率が高くなります。クジラは肺呼吸を行うため、定期的に水面に浮上してブロー(潮吹き)を行います。知床半島を背に、海面から噴気をあげるクジラの姿は大迫力!運が良ければ尾びれを持ち上げる瞬間を見られるかもしれません。羅臼沖では高確率で遭遇できるため、クルーズ船に乗って観察するホエールウォッチングがおすすめ。遠くにいても「プシュッ!」という「ブロー音」が聞こえたら近くにクジラがいる合図です。船の進行方向に対して斜め前方をよく観察すると発見しやすいですよ。
03
シャチ
シャチ
同じく知床・羅臼エリアで見られるのがシャチ。シャチは家族単位で行動するため、親子で泳ぐ姿や水面でのジャンプなどダイナミックな行動を観察できます。「ブリーチング」という海中に飛び込む光景が見られたり、船と一緒に並走することもしばしば。運が良ければ「スパイホップ(立ち泳ぎ)」や「テールスラップ(尾びれ打ち)」をする姿を見ることができるかも?動きが早く目で追うのが大変かもしれませんが、見つけ方は黒い背びれを探すのがポイント。特にオスは背びれが高く、遠くからでも目立ちます。特に4〜6月はシャチの目撃率が非常に高いのでおすすめの観察時期です。羅臼エリアでは出現率が高くなる5月がおすすめ。岸から近い場所で見ることができるのは貴重で、世界中からシャチファンが集まるフォトスポットとして大人気です。
04
ラッコ
ラッコ
貝殻を石で割って食べるかわいらしいイメージのラッコ。実は乱獲が進んでいて、一時期は世界でも2,000頭ほどにまで激減したことで絶滅危惧種にも指定されている希少な動物です。冷たい海でも生活できるよう、密な毛で体温を保っています。体毛の密度は哺乳類で最も高く、1平方cmあたり10万本以上。ひがし北海道では主にウニや貝類を食べる様子を見ることができます。おすすめの場所は知床・羅臼エリア、そして釧路空港から車で2時間ほど走らせた先にある浜中町の霧多布岬。観察できる時期は秋から冬にかけてですが、運が良ければ夏でも朝早い時間帯に見ることができます。なかでも霧多布岬では2016年ごろからラッコが3匹ほど定着し始めています。2023年には4組の母子が確認されていて、岸から比較的近い距離で観察可能!とはいえ肉眼では遠いため、双眼鏡や望遠レンズの持参がおすすめです。特におすすめなのは霧のない晴天時や、波が穏やかな時。お腹で貝を割って食べる様子やぷかぷかと水面に仰向けに浮かぶ姿、母子で寄り添う愛らしいシーンを見ることができます。ラッコは音に敏感なため、大きな音を出さないよう静かに見守りましょう。

1日1組限定でラッコの撮影フォトガイドツアーも開催中!プロカメラマンのサポートのもと、ラッコの愛らしい姿をキレイに写真に収めることができます。カメラ機材を持っていない方も、有料でプロが使用するカメラを借りることが可能。
野生動物を撮影!霧多布岬のラッコ撮影Photo guide
05
イルカ
イルカ
ひがし北海道では、カマイルカやハセイルカなどの群れを観察できます。高い知能を持ち、クリック音や笛のような音を使って仲間とコミュニケーションを取りながら泳ぐのが特徴。高速で泳ぐ能力があるため、船の波に合わせて泳ぐ「ボウライディング」を楽しむことができるかも?群れでジャンプをしたり、スピンをする姿は大迫力間違いなし!また好奇心旺盛で人懐っこいため、ほかの動物よりも近距離での遭遇が期待できます。おすすめの時期は4月下旬から10月下旬。網走・羅臼で乗車できるネイチャークルーズでは高確率でイルカウォッチングが可能です。ネイチャークルーズに参加する際は、防寒対策をお忘れなく。知床・羅臼エリアは真夏でも気温が20℃以下になることがあるため、海上では特に肌寒さを感じます。また船の上は揺れが強く不安定なため、動きやすく滑りにくいスニーカーがおすすめ。天候や海の状態によっては揺れが激しいこともあるため、船酔いが心配な人は事前に酔い止めを飲んでおくことをおすすめします。
06
アザラシ
アザラシ
流氷とともにやってくるアザラシは、ひがし北海道の冬の風物詩。春先には氷が溶けはじめると岸近くに姿を見せることもあり、船上からの観察も可能です。主に見られるのはゴマフアザラシで、白くて丸い顔と黒い斑点模様が特徴。氷上で休息や出産を行い、流氷の上に身を隠すことで外敵から身を守ります。また母子の絆が非常に強く、産まれたばかりの赤ちゃんは、数日間母親のそばで授乳を受けながら育ちます。とぼけた表情や、水面から顔をちょこんと出して周囲を観察する様子に癒される人続出中。おすすめの時期は3月〜5月上旬の流氷シーズンですが、通年を通して出会うことができるおすすめスポットもあります。それがこちら!
おすすめスポット:紋別アザラシシーパラダイス
北海道紋別市の海洋公園の中にある「紋別アザラシシーパラダイス」は、アザラシ専門の飼育・保護施設として知られています。2025年4月現在はゴマフアザラシの「アグ」「日和」「キョロ」が暮らしており、間近での観察を通してその愛らしい生態を学ぶことができます。園内には保護された個体や高齢のアザラシもおり、終生飼育を行う「いのちの学び場」としての役割も。現地では餌やり体験やトレーナーのように合図を出せる体験で、アザラシと触れ合うことも可能です。犬と同じくらいの賢さがあり、間近で手を挙げると自らも「はーい!」と手を挙げる愛くるしい姿は訪れた人の心をわし掴みに!定員が各回5名と限られているため、開始40分前から配布される整理券の受け取りを忘れずに。子どものいる家族連れにはおすすめのスポットです。

アクセス:北海道紋別市海洋公園2番地(オホーツクタワー横)
営業時間:10:00〜16:00※季節により変動あり
入館料:大人500円/小人300円/幼児無料
公式サイト: https://o-tower.co.jp/seaparadise.html
07
オオワシ
オオワシ
翼を広げると2mにもなる巨大な猛禽・オオワシは、冬のひがし北海道を代表する存在。絶滅危惧種にも指定されている希少な鳥で、日本で見られる最大級の猛禽類です。海上に浮かぶ流氷や木の上にとまっている姿は圧倒的な存在感を放ちます。くっきりとした白と黒のコントラスト、黄色く太いくちばしが特徴で、その風格はまさに“空の王者”。オオワシは主に冬の時期ロシアから渡来し、流氷と共にひがし北海道の海岸に現れます。漁師が残した魚や氷上の死骸などを狙うことが多く、比較的人間の活動エリアにも現れやすいのが特徴。おすすめの時期は10月下旬〜3月上旬で、飛来のピークは流氷が押し寄せる2月ごろ。特に羅臼や根室の流氷クルーズでは、高確率で遭遇することができます。大きな翼を広げる姿や、木の上から魚を狙って急降下する姿を観察可能。春の訪れとともにロシアへ戻るオオワシですが、4月のクルーズでも滞在している個体がいるため運が良ければギリギリ観察ができるかも?
08
オジロワシ
オジロワシ
オオワシよりやや小柄ながらも、鋭い目と美しい翼を持つオジロワシも冬のひがし北海道でよく見られます。全身は茶褐色で、名前の通り尾羽が白いのが特徴。優雅に空を旋回しながら低空飛行する姿を観察することができます。冬にロシアなどから渡ってきて、ひがし北海道の海岸沿いや内陸の川、湖沼周辺に滞在します。つがいで行動することが多く、つがい同士の鳴き交わしや協力した狩りの様子が見られることも。おすすめの観察時期は10月下旬から3月上旬。オオワシに比べて行動範囲が広く、海沿いの林や岬などでも目撃されるため出会える確率はやや高めです。こちらもおすすめはネイチャークルーズ。崖や木の上で休息する姿や、低空飛行しながら海を見つめるハンティングモードを見ることができます。
09
おすすめの移動方法
ひがし北海道は広大なため、移動するのも一苦労。そこでおすすめなのが観光バスの利用です。なかでも、女満別空港から知床(ウトロ)を直通でつなぐ「知床エアポートライナー」と知床ウトロの主要な観光スポットをガイド付きでまわることのできる「知床浪漫ふれあい号」は特におすすめです。ご予約はこちらから!
知床エアポートライナー
女満別空港~網走市街を経由して知床(ウトロ)を結ぶ季節限定の直通バスです。(夏季:6月~9月、冬季:1月下旬~3月上旬頃)
知床浪漫ふれあい号
斜里駅、ウトロ温泉発着のガイド付きの観光バス。A~Cの3つのコースをつなげると、1日で知床ウトロの主要な観光スポットをめぐることができます。
10
まとめ
ひがし北海道は、日本国内でも類を見ない野生動物の宝庫。特に海の動物たちとの出会いは、ここでしか得られない感動を味わうことができます。季節ごとに違った姿を見せてくれる彼らとの出会いは、一生の思い出になること間違いなし。ネイチャークルーズは高確率で野生動物たちと出会うことができるため、観察したい人には非常におすすめ。ひがし北海道の旅の満足度がさらに上がる、様々な体験商品も用意されています。出かける際は双眼鏡・望遠カメラ・暖かい服装の準備もお忘れなく!さあ、あなたはどんな動物たちと出会うことができるでしょうか?
ライター情報
奥村 菜依加
奥村菜依加(なえか)
1994年生まれ、北海道北見市出身。道内金融機関に6年間勤務。その後北見市の映像プロダクション・株式会社北映Northern Filmsにチーフマネージャー・ライターとして在籍。2023年退職、コピーライター・取材ライターとして独立。屋号はProduce One。